私が薄毛の悩みを意識し始めたのは、30代半ばを迎えてからです。鏡を見るたびに、以前よりも分け目が広がり、髪のボリュームが減っていることに気づき、心の底からため息が出ていました。母に相談すると、「女はみんなそうなるのよ、遺伝だから仕方ないわ」という言葉が返ってきました。その言葉を聞いて、やはり遺伝は避けられない運命なのかと、ますます落ち込みました。しかし、一方で、本当に何もできないのだろうか、という疑問も頭をよぎりました。私もまだ30代。このまま薄毛が進行していくのをただ見ているだけでは嫌だ、という強い気持ちが湧いてきたのです。そこで、まずはインターネットで「女性 薄毛 遺伝」と検索し、様々な情報を集め始めました。すると、意外な事実が分かってきました。男性のAGAのように遺伝的要素が非常に強い一方で、女性の薄毛は、遺伝だけが原因ではない、という情報が多数あったのです。ホルモンバランスの乱れ、ストレス、食生活、睡眠不足など、日常生活の中にある様々な要因が複合的に絡み合って発症することが多い、と書かれていました。私自身の生活を振り返ると、仕事のストレスが溜まりがちで、食事も外食やコンビニ食が多く、睡眠時間も不規則でした。「もしかしたら、遺伝だけでなく、私の生活習慣にも原因があるのかもしれない」。そう考えると、諦めていた気持ちに、少しずつ希望の光が差し込んできました。私は、まずは自分の生活習慣を改善することから始めることにしました。毎朝、野菜たっぷりのスムージーを作り、昼食も手作りの弁当に変えました。夜は早く寝ることを心がけ、寝る前には簡単なストレッチや瞑想を取り入れて、リラックスする時間を確保しました。シャンプーの際には、頭皮マッサージも取り入れ、血行促進を意識しました。こうした生活習慣の改善を始めて3ヶ月ほど経った頃、美容院で髪をカットしてもらった際に、美容師さんから「最近、髪にハリが出てきましたね!ボリュームも少し増えましたよ」と言われたのです。自分でも「なんだか髪が元気になった気がする」と感じていたので、とても嬉しかったです。母が言った「遺伝だから仕方ない」という言葉は、私にとって必ずしも当てはまらないのかもしれない、と今は思っています。女性の薄毛は遺伝的素因があるとしても、それが全てではありません。