育毛剤・発毛剤の選び方。はげ対策の正しい知識

薄毛や抜け毛が気になり始めると、「はげ対策」として多くの方がまず検討するのが「育毛剤」や「発毛剤」ではないでしょうか。ドラッグストアやインターネット上には様々な製品が溢れており、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も少なくないでしょう。実は、「育毛剤」と「発毛剤」は、その目的や効果が異なります。ここでは、それぞれの違いと、自分に合った製品を選ぶための正しい知識について解説します。まず、「育毛剤」についてです。育毛剤は、主に医薬部外品に分類され、「今ある髪の毛を健康に育てること」や「抜け毛を予防すること」を目的としています。具体的には、頭皮の血行を促進する成分(センブリエキス、ビタミンE誘導体など)、毛母細胞の働きを活性化させる成分、頭皮の炎症を抑える成分(グリチルリチン酸ジカリウムなど)、保湿成分などが配合されています。育毛剤は、主に頭皮環境を整え、健康な髪が育ちやすい状態を作ることを目指すものです。そのため、AGA(男性型脱毛症)のように、男性ホルモンの影響で進行する薄毛に対して、育毛剤だけで発毛を促すことは難しいとされています。次に、「発毛剤」についてです。発毛剤は、一般用医薬品(OTC医薬品)または医療用医薬品に分類され、「新しい髪の毛を生やすこと」を目的としています。現在、日本で市販されている発毛剤の有効成分として認められているのは「ミノキシジル」です。ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発されましたが、血管を拡張して血流を改善し、毛母細胞を活性化させることで発毛効果があることが分かり、薄毛治療に用いられるようになりました。発毛剤は、医師の診断なしに薬局やドラッグストアで購入できるもの(ミノキシジル濃度1%~5%程度)と、医師の処方が必要な医療用医薬品があります。最も確実なのは、自己判断せずに「専門医に相談する」ことです。皮膚科やAGA専門クリニックを受診すれば、医師があなたの薄毛の原因を診断し、育毛剤や発毛剤の使用が適切かどうか、あるいは他の治療法(内服薬など)が必要かどうかを判断してくれます。育毛剤や発毛剤は、はげ対策の有効な選択肢の一つですが、正しい知識を持って、自分の状態に合った製品を選ぶことが大切です。