AGA（男性型脱毛症）の治療を開始したにもかかわらず、「脱毛がなかなか止まらない」「むしろ悪化しているように感じる」と不安になる方もいるかもしれません。しかし、すぐに治療効果がないと諦めてしまうのではなく、いくつかの可能性を考慮し、適切に対処することが重要です。まず考えられるのは、「治療効果が現れるまでの期間」です。AGA治療の効果は、一朝一夕に現れるものではありません。一般的に、内服薬や外用薬による治療効果を実感できるようになるまでには、最低でも3ヶ月から6ヶ月、場合によってはそれ以上の期間が必要となることがあります。治療開始からまだ日が浅い場合は、もう少し辛抱強く治療を継続してみる必要があるかもしれません。次に、「初期脱毛」の可能性です。前述の通り、AGA治療薬の使用開始初期には、一時的に抜け毛が増える初期脱毛が起こることがあります。これは治療が効き始めているサインである可能性が高く、通常は1ヶ月から3ヶ月程度で治まります。この期間に脱毛が増えても、自己判断で治療を中断しないことが大切です。また、「選択している治療法が適切でない、あるいは効果が不十分」という可能性も考えられます。AGAの進行度や個人の体質によって、最適な治療法は異なります。市販の育毛剤だけでは効果が限定的な場合もあります。もし、長期間治療を続けても脱毛が改善しない場合は、医師に相談し、治療法の変更（例えば、薬剤の種類の変更、濃度の変更、内服薬と外用薬の併用、注入治療の追加など）を検討する必要があるかもしれません。「生活習慣の乱れや他の要因」が影響している可能性もあります。不規則な食生活、睡眠不足、過度なストレス、喫煙などは、頭皮環境を悪化させ、AGA治療の効果を妨げる可能性があります。また、AGA以外の脱毛症（円形脱毛症、脂漏性皮膚炎など）を併発している可能性も考慮する必要があります。脱毛が止まらないと感じたら、まずは担当医に正直に相談しましょう。医師は、現在の状態を正確に評価し、原因を特定し、今後の治療方針について適切なアドバイスをしてくれます。