髪型でカバー!はげ隠しヘアスタイルの基本

薄毛が気になり始めたとき、まず試みやすいのが髪型による「はげ隠し」です。適切なヘアスタイルを選ぶことで、気になる部分を目立たなくさせ、全体の印象を自然に見せることが可能です。しかし、やみくもに隠そうとすると、かえって不自然になったり、薄毛を強調してしまったりすることもあります。ここでは、はげ隠しを目的としたヘアスタイルの基本的な考え方と、具体的なテクニックを紹介します。まず、最も重要なのは「無理に隠そうとしない」ことです。例えば、薄くなってきた前髪を無理に長く伸ばして隠そうとしたり、サイドの髪を不自然に頭頂部に持ってきたりするようなスタイルは、かえって薄毛部分に視線を集めてしまう可能性があります。また、風が吹いたり汗をかいたりするとスタイルが崩れやすく、常に気を使わなければならないという精神的な負担も大きくなります。はげ隠しヘアスタイルの基本は、「短くしてスッキリ見せる」か、「トップにボリュームを持たせて視線を誘導する」かのどちらか、あるいはその組み合わせです。薄毛が進行している場合、思い切って全体的に短くする「ショートスタイル」は非常に有効です。サイドや後頭部も短く刈り上げることで、薄い部分とのコントラストが少なくなり、全体的に清潔感のあるスッキリとした印象になります。ソフトモヒカンやベリーショートなどは、トップに多少の長さを残しつつ、気になる部分を目立たなくさせる効果が期待できます。トップの薄毛が気になる場合は、その部分にボリュームを持たせるようなスタイリングが効果的です。ドライヤーで根元から立ち上げるように乾かしたり、パーマをかけてふんわりとした動きを出したりするのも良いでしょう。ただし、パーマは髪や頭皮に負担をかける可能性もあるため、美容師さんとよく相談することが大切です。スタイリング剤は、軽い質感のワックスやスプレーを選び、つけすぎないように注意しましょう。生え際のM字部分が気になる場合は、前髪を少し長めに残して自然に下ろしたり、斜めに流したりすることでカバーできます。ただし、あまり重くしすぎると不自然になるため、軽さを出すようにカットしてもらうのがポイントです。

遺伝とはげる年齢。親や兄弟との関係は?

「父親が若くからはげていたから、自分も早くはげるのではないか…」「兄弟はまだ大丈夫なのに、自分だけ薄毛が進行している気がする…」薄毛の悩み、特に男性型脱毛症(AGA)においては、「遺伝」が大きな要因の一つであることは広く知られています。では、親や兄弟の薄毛の状態は、自分自身がはげる年齢にどの程度影響を与えるのでしょうか。AGAの発症には、複数の遺伝子が関与していると考えられています。その中でも特に重要視されているのが、男性ホルモン(テストステロン)をより強力なDHT(ジヒドロテストステロン)に変換する「5αリダクターゼ」の活性度合いを決める遺伝子と、DHTを受け取る「男性ホルモン受容体」の感受性を決める遺伝子です。これらの遺伝子の組み合わせによって、AGAの発症しやすさや進行の速さが左右されると言われています。5αリダクターゼの活性が高い遺伝子を持っていると、DHTが生成されやすくなります。また、男性ホルモン受容体の感受性が高い遺伝子を持っていると、DHTの影響を受けやすく、毛髪の成長期が短縮されやすくなります。これらの遺伝的特徴は、両親から受け継がれるものです。一般的に、父親がAGAである場合、その息子もAGAを発症するリスクが高いと言われています。また、母方の祖父がAGAであった場合も、息子にその遺伝的素因が受け継がれる可能性が高いとされています。これは、男性ホルモン受容体の遺伝子がX染色体上に存在するため、母親から息子へと遺伝する傾向があるためです。しかし、遺伝はあくまで「発症しやすさ」や「進行の速さ」に影響を与える因子であり、「何歳からはげるか」を正確に決定づけるものではありません。同じ遺伝的素因を持っていても、生活習慣やストレスの度合い、ホルモンバランスなど、他の要因によって、実際に薄毛が始まる年齢や進行度には個人差が生じます。兄弟間でも、薄毛の状況が異なることは珍しくありません。これは、両親から受け継ぐ遺伝子の組み合わせが兄弟それぞれで異なる可能性があるためです。また、たとえ同じような遺伝的素因を持っていたとしても、生活環境やストレスレベルが異なれば、薄毛の現れ方も変わってきます。したがって、「父親が20代ではげていたから、自分も必ず20代ではげる」と断定することはできません。